大王製紙前会長の井川意高（もとたか）容疑者（４７）による巨額借り入れ事件で、連結子会社７社からの計１０６億円余以外にも、前会長が非連結のグループ関連会社を通じて計５億３０００万円を借り入れていたことが、同社関係者への取材で分かった。前会長を会社法違反（特別背任）容疑で逮捕した東京地検特捜部もこうした７社以外からの借り入れを把握し、全容解明を進めている模様だ。

【「井川家は神のような存在」】大王製紙、歯止め社内になし

　同社関係者によると井川前会長は昨年５月～今年９月、計２６回にわたって連結子会社７社から無担保で計１０６億８０００万円を借り入れた。特捜部はこのうち今年７～９月の７回計３２億円分を逮捕容疑とした。

　ところが、これらの期間より前に、非連結のグループ会社で、前会長の父の井川高雄前顧問（１０月末に解嘱）が役員を務めるゴルフ場経営会社「エリエール商工」から、直接または迂回（うかい）して計５億３０００万円が前会長に渡っていた。

　この貸し付けに対する前会長の返済は滞ったという。

　同社関係者は、前会長がこの５億３０００万円の返済に窮した結果、自身が代表取締役会長を兼ねていた連結子会社７社からの借り入れに切り替えた疑いがあると指摘している。

　１０６億円余の大半はマカオやラスベガスなど海外でのカジノ賭博に流用されたとみられ、井川前会長は２２日の逮捕直後、「お詫（わ）び」と題する文書を公表。「ほとんどをカジノでのギャンブルに使ったのは事実。株取引で多大な損失を出した後にたまたま訪れたカジノで大きな利益を得て深みにはまった」などと説明している。

岩手中古車
岩手県一関市の中古車
岩手県陸前高田市の